2008/04/08

東京雑感──暮らすなら京都!

2008.4.1-6
【東京都・神奈川県】

 九品仏(Map)

 4月1日に上京しました。
 新横浜で新幹線から降り立った最初の印象は「ムッと来るこの空気は何?」(息が詰まる感覚)でした。
 数字からイメージする気温の感覚より高く感じられることに通じるのではと思いますし、京都・大阪(高槻)では、逆に数字からイメージする気温より低いのでは? と感じていました。
 「東京の空気は不純物(有害物質?)密度が高いのではないか?」というのが新横浜に降り立った時の第一印象です。
 もちろん(?)喫煙車両から出てきたわけですから、その有害物質の種類が違うと感じたことを伝えたかったのですが、季節柄、花粉等の影響があるのかも知れません(夏は新横浜に降り立った瞬間「あぁ、涼しい」と感じたものですが)。
 そんな経験をされた方はいらっしゃらないでしょうか?

 前回の宿題と言いますか、九品仏(浄真寺)に行ってきました(近くに住んでいたのに、関心が無かったもので)。
 やはり京都の浄瑠璃寺と同様に、九つの仏様を祀る「九品往生」(くほんおうじょう)という思想に由来することから「九品仏」という通称が生まれたようです(1678年開山というので江戸時代)。
 その由来は、人物・物の性質をまず上品・中品・下品に分け、それをまた一品ずつそれぞれ上・中・下の三品に分け「九品」とするそうで、「上品(じょうひん)」「下品(げひん)」の語源はこれによるのだそうです。

 出てくる頃、関西の桜はまだ5分咲き程度でしたが、こちらはちょうど満開というか散り始めでしたので、得をしたのか損をしたのか(プロセスを楽しめず)よく分かりませんが、観ることはできました。
 桜の満開は関東が早いのですが、花粉は関東の方が遅いようです。
 と言うか、飛散の全体量が多いのかも知れません。
 花粉症の方、もうしばらくの辛抱です……


 砧(きぬた)公園(Map)


 今回の東京訪問では、以前暮らしていた東横沿線の武蔵小杉隣の新丸子のホテルに滞在しています。
 以前の生活空間を歩いてみましたが、見覚えのある(2年前とは大きく変わらない)商店街などの光景が見られるのですが、どうも実感をつかめない距離感のようなものがあるように思えてしまいます。
 生活感とはそういったものなのだろうとは思いますが、思い出されるのがどうも良くない印象ばかりというのは、わたしがネガティブな人間である証明なのだろうか? とも思いますが、人はみなそう言う面を持っているのではないか? と言う程度は言わせて下さい……


 武蔵小杉(Map)


 武蔵小杉周辺は再開発の真っ最中で、どデカイマンションが林立しており、どうなっちゃうんだ? という印象です。
 大阪でも土地をかき集めてビルを建てて売っ払うことでお金にしようとする動きが活発ですが、現在それが可能な地域は東京圏に限られているのではないかと思われます(東京の真似をして大阪はまた痛い目に遭うのでは?)。
 神戸や大阪の中心地では取引が活発なようですが、新幹線の駅のある新神戸や、南港ポートタウン線と地下鉄のターミナルである住之江公園駅の駅ビルなどは空き店舗が目についたりします。
 前述は最近見た一例ですが、日本はもう既に成長の限度(ピーク)を超えていると思われてなりません。
 経済のグローバル化に対抗するために、国内でも大きな収益を上げようと「寄せて、集めて、上げて」見栄えを良くして売りつけようとする商売が目につくように思うのですが、もうそんな商売が成り立つのも東京だけなのではないでしょうか?
 東京が大きくなることは、日本の象徴(シンボル)として悪いこととは思わないのですが、立ち止まって考えてみれば問題点は誰の目にも明らかになると思われます。
 ひとりの女性が出産する子どもの数は2人以下で横ばいを続けているので、人口は増えていきません。
 だからといって、海外からの移民を大々的に受け入れるという政策がとられているわけでもなく、国民の心理としても受け入れられるとも思えません。
 そんな状況下で東京に「寄せて、集めて、上げて」しまったら、地方が陥没してしまうことは明白と思われます。
 東京中心の発想しか持たない政府は「ダメなら東京にいらっしゃい!」とでも言ってるように思えて仕方ありません。
 地方出身で東京に暮らしている方々も「今の生活を守ることが第一」でしょうから、故郷への思いはあれど地元を支えるという余裕など無い人の方が圧倒的と思われます。
 でも、どうしたらいいのでしょうか?
 このままでは「帰る故郷」が無くなってしまう、という視点から「故郷創生的・日本列島改造論」というようなものが必要だなんて思ってしまうのですが、ちょっと大風呂敷すぎますかね……


 新宿御苑(Map)


 京都では高層建築物の自主規制を始めています。100年単位で町の将来を考えられる都市は、日本では京都だけではないか? と思ってしまいます。
 確かに、資産価値がある町だからそれを守ろうとする原動力が生まれることも理解できますし、町作りにはそれくらいの「ビジョン」がなければ、外に誇れるものはできないのではないか? とも思えます。
 近ごろの東京では「江戸」なる名称を使いたがるように思われますが、それはどんなビジョンによるものなのでしょう。
 経済を牽引する都市に都市計画のようなビジョンは持てない、という考えも理解できますが、わたしが住みたい町を選択するならば、比較以前の答えと言うのでしょうか「絶対、京都!」です。
 と言うか、住みたいなぁ〜。
 (上写真は新宿御苑よりNTT DoCoMoタワーを望む)


 多摩川(Map)


 たかだか2年のブランクなのに、こうも印象が変わってしまうとはちょっとした驚きでした。
 そんな中で「唯一変わってない気がする」と感じられたのが、丸子橋からの多摩川の風景でした。
 それは「ある意味正しい心象である」と、胸に手を当て「ナットク」です……

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